交通事故でむち打ちになってしまった場合の示談金の相場

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交通事故でむち打ちになってしまった場合の示談金の相場

交通事故の示談金の相場を理解していないと損をしてしまう可能性があります。

この記事では、むち打ちになってしまった場合の示談金の相場について解説していきます。

むち打ちとは

むち打ちとは、追突事故などによって、頭部が鞭の動きのように前後に過度の屈伸をし、首の組織に損傷を生じた結果起こる症状をいいます。

むち打ちは頸椎捻挫(けいついねんざ)外傷性頸部症候群と診断書では記載されます。

頭痛やめまい、肩こり、しびれ、耳鳴りなどの症状があり、神経根の圧迫が大きければ、神経症状が長く続き後遺症となります。

むち打ちの治療期間は軽度のものならば1か月〜3か月程度と言われていますが、事故の大きさや症状の程度によっては数か月や1年以上の間症状に悩まされる場合もあります。

むち打ちの場合は賠償金はどの基準での交渉が良いのか

交通事故の賠償金には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つの基準があり、その基準をもとに金額が決まっていきます。

相場の慰謝料を受け取るには裁判基準での交渉をすることが不可欠です。

自賠責保険基準

法令で定められた最低限の補償

任意保険基準

自動車保険会社ごとに決まっている

弁護士基準

判例に基づいており弁護士が用いる

3つの基準には上記のような違いがあり、弁護士基準は自賠責基準の約2倍で、最も高い慰謝料基準です。

自賠責基準だと入通院慰謝料は最大120万円までしか補償されず、120万円を超えた場合には自費になってしまう可能性があります。

交通事故でむち打ちになった場合の示談金と慰謝料の目安

入通院慰謝料

基本的には入通院期間が長いほど慰謝料額は上がりますが、弁護士基準による請求でも高額になります。

3ヵ月の通院の場合

  • 自賠責保険と任意保険基準の場合:30万〜40万円
  • 弁護士基準の場合:53万円

休業損害

各休業損害の計算方法は以下の通りです。

自賠責基準の場合

5,700円 × 休業日数

1日あたりの基礎収入額が5,700円より上である場合、19,000円を上限として計算できます。

任意保険基準の場合

任意保険基準の休業損害の計算方法は各任意会社によって異なりますが、自賠責基準とほぼ同じ又は若干任意保険基準の方が高いです。

弁護士基準の場合

1日あたりの基礎収入 × 休業日数

弁護士基準で算定される基礎収入は交通事故前90日分の収入を平均したものとなります。

後遺障害慰謝料

むち打ち症で認定を受けられる後遺障害等級は第12級と第14級の2種類があります。

自賠責保険基準の場合

第14級で32万円、第12級で93万円

任意保険基準の場合

第14級で40万円、第12級で100万円

弁護士基準の場合

第14級で110万円、第12級で280万円

まとめ

損害賠償で最も相場の高い基準は弁護士基準です。

弁護士基準は過去の裁判の判例などをもとにして、弁護士が計算する基準のため、弁護士基準での請求は裁判を起こさなくてもできます。

交通事故でむち打ちになってしまった場合、適切な額の示談金を請求するためには弁護士の依頼をお勧めします。